大橋 (以下・大) : 今回は初の出張”輪用美”(ラジオコンテンツと連動しております)となります。
CONNECT THE LiNN としても、輪用美としても、初の特別ゲストにご参加していただきます。
大 : 江口洋品店・江口時計店の店主 / 江口さんです。
江口さん (以下・江) : こんにちは!宜しくお願い致します。
佐藤 , 大 (以下・佐) : こちらこそ宜しくお願いお願い致します!
大 : 11月3,4,5日の3連休に大阪で行う我々の巡業イベントである”輪巡祭”。東京会期は11日(土) – 26日(日)で イベントご協力頂く訳ですが。。。江口さんは最近はいかがお過ごしでしたか?
江 : 最近はひたすら時計の心眼をしながらの日々でして。まあ、夜の生活は変わらず。。。
佐 : なるほど、今まで通りですね。笑
江 : はい。ちょっとでも自制気味です。最近カルティエのトークイベントに参加しまして。ああいう事がありますと色々とね。
大 : あー。笑 あのイベントはトークイベントですか?
江 : そうですね。カルティエの新作や過去のアーカイブについて話しました。洋服と同様、時計も丸型が良い、四角が良い等を皆で趣向を話したり、ベースとなっている個体は1900年台のカルティエが作っている歴史がある事などを織り交ぜた談義的なイベントでした。
佐 : どういった方が参加していたのですか?
江 : カルティエ本体とHodinkee、クロノスという雑誌社が招待したお客様やコレクターの方といった時計好きが集まるトークショーでした。初めての機会でしたね。
大 : 何か、感覚変わりましたか?
江 : そうですねー。意識が違いますね。
一同 : 笑
大 : そろそろ、本題に入りましょうか。僕は江口さんとは”LiNN”を始めてからお仕事させていただく形になります。江口さんについて、聞きたいことがたくさんありますが。先ずは簡単に江口さんのお店が始まったきっかけや経歴などをお伺いできればと。
江 : 分かりました。所謂、古着屋や中古の時計屋というのはどこにでもあると思います。それを自分たちの好きなものだけやアフターメンテナンス・修理含めて、モノの本質を踏まえたお店をやる。アフターメンテに関しては、新品のモノ売りは大体どこもやっていますが、中古店になるとモノの力が強いのでそこを無視しがち。Levi`s501xxのVintageが安く売られていたら誰でも欲しい訳じゃないですか。それがボロボロの完品じゃなくてもしっかり直しのケアができれば良い。そんな感じでブランディングってあまりなかったので。だから、逆にそこをちゃんとやれるお店を作りたいなと。
佐 : 売った後に、アフターメンテナンス含めたケアをしてもらえる。これって、やっぱり良いですね。
大 : その考えは、周りにそういう考えを持った同士や仲間がいたことが影響しているのですか?
江 : そういう点もありますが。初めて買ったVintage Rolexが壊れているモノだったんですよ。19歳ぐらいかな?それを直して使う。その際にお世話になった技術者との対話の思い出が強い。これからそういうものを購入される方にも、壊れた時にちゃんと直すには自分の側に技術者がいなくてはダメ。僕自身も直す方をトライしましたが、全然ダメで。すごく難しいんです。
佐 : 元々、ジュエリーとか作られてましたもんね。
江 : そうですね。モノを触ったり、いじったりするのは今も好きです。ただ、修理になると違いまして。中のパーツがたくさんあり、使えるモノ、ダメなモノの判断が必要で、この仕事に従事している方の経験値でないとできないとすぐ気づきました。
佐 : 吉祥寺店舗が オープンしたのはいつですか?
江 : 2016年です。8年目になります。最初の内は、かなり試行錯誤の毎日でしたよ。
大 : その時代はSNSも未だ浸透しきってなかったですもんね。
佐 : その代わり、POP UPイベントのスタイルが台頭してきて、自ら出向き知ってもらえるタイミングでしたね。
大 : 前職で佐藤がPOP UPを仕掛けたことが江口さんと協業するきっかけだと思いますが、2人の関係性的な事や自分達みたいなまだまだ認知の低い2人と何故、今回協業して頂くことになったのか?こちらを併せて、佐藤かな?お聞かせください。
佐 : 最初は、西野さん(NEAT)の紹介ですね。
江 : すごい大きい人だなと。
一同 : 笑
佐 : そこから江口さんと取り組むVintage(幅広いラインナップ)のイベントがスタートしました。何回か数をこなす中で、もっと編集した提案をしようというところで”贅沢品展”が生まれました。
大 : 佐藤は出会った頃と比べると、かなり服の系統が変わったイメージがあるが江口さんとの出会いが影響している?
佐 : 江口さんから、個人的にも幾つか時計を購入させてもらっていますが、持っているカルティエのタンクも1年ぐらい探していただいて手に入れたものです。最近付けているルクルトのモノもそうですが、江口さん自らご提案を頂いて、購入に至っている。確かに、モノに対しての影響はかなり受けていますね。
江 : 僕の立場からすると、身につけ方を学べるんですよ。エルメスのスカーフをベルトする等、アッパーなモノを気軽に使えるようにしたりと。そういうことを教わっています。
大 : めっちゃいい関係性ですね。
佐 : 夜は僕がお世話をしております。
江 : あざます!笑
大 : 江口さんから見た”LiNN”ってどんな印象ですか?
江 : 好きなモノを買い付けて、紹介するキャパ的な面が今のお店の大きさは最高ですね。最高って、色々な意味があります。売上というよりは、自分達が良いと思ったモノを対面で販売できる。そういう面含めて、2人がちゃんといる環境は良いお店に見えていますよ。
大 : 嬉しいお言葉です。では、イベントについて話を進めましょう。
我々は”贅沢品展”のオマージュで”贅沢輪展”と題して催します。”品”を”輪”に変えた形ですね。
佐 : LiNNになってから、前職とはフィルターは違いますが、根本は変わりません。タイムレスで贅沢な品物を提案する。僕らのコンセプトである輪を繋ぐ、2回目となる今回も協業して頂く京都は太秦のMAENOTAさん。角打ちスタイルで提供するナチュラルワインも同様に、一つの枠を超えて様々な人達を絡めたイベントになればいいなと考えております。
大 : また新たな輪が繋がると嬉しいですね。それでは、期間中に展開される商品について触れていきましょう。メインは、時計ですね。今回はどの様なモノが展開されますか?
江 : 平素LiNNさんでも展開いただいている、スポーツ系と言うよりドレス系。簡潔に言うと、レザーブレスの付いたモノが多いイベントです。本来であれば、タキシードなどに纏うモノをカジュアルに提案します。年代的には60年代から90年代と幅広く持ち込みます。私自身が尊敬する職人達が試行錯誤しながら、一生懸命に作り上げた薄くて小さい金時計のケースモデル。本当に素敵なんですよ。可能であれば、新品でも中古でも良いので時計を扱っているお店に出向き、自分ってこんなのが好みだなとイメージをして膨らませご来店頂くと、より魅力が伝わるかもです。ただ、MAENOTAさん(ナチュラルワイン専門店)の角打ちがあると聞いているので、昼の12時から飲む予定なのでちゃんと対応できるかな。。。?笑
佐 : “贅沢輪展”はお酒を飲みながら楽しめちゃうので。笑
大 : そうですね。笑
最近、江口さんが最近愛用されているモデルは何ですか?(すいません。写真取り忘れました。)
江 : 僕は今カルティエのパンテール(Panthere De Cartier)を愛用しております。女性向けの時計ですね。時計文化って、大砲を打つ際や光の速さや距離を音のスピードに乗せて測る事から始まりました。そこからファッションとして捉えられた時代がデニム等の文化同様にあるんですが、その当時の女性向けの時計って魅力的なデザインがたくさんあります。そういうものを男性が付けるとカッコよく、このモデルも同様に素敵なんです。
佐 : パンテールは意外なチョイスでした。その着眼点は他の時計屋さんとは違いますね。
江 : この3人ならわかると思いますが、そもそもRolexのデイトナを付けている方とぼくのパンテールは価格は違えど、どちらも価値のあるモノ。価値があるモノしか基本的に時計屋は売っていないので。その中でどれをどのように着用するか?それがスタイルであり、歴史的な事を踏まえてモノを買うって洋服好きな方って当たり前だったりする。横にいるお金持ちが付けているとかではない。10万円で購入したものが20万円になったらなと何故か時計に関しては考えてしまいがちですが、人生で数本しか買うことのない、どの個体もカッコいいモノでどれを買ってもそこに価値があるので自身が納得して頂ける形を追求してほしい。そういう満足をしてもらえたら嬉しいですね。
大 : そういう面を踏まえて、江口さんにはアフターケアの安心感がありますね。
江 : そうなんですね。そういう対象はNISAとかにお願いしたいですね。
一同 : 笑
大 : ここに4本のおすすめがあります。それぞれがオススメするモデルを1つ教えてください。
江 : 僕からはAUDEMARS PIGUET(オーデマピゲ)のクッションケース。1970`sに製造されたものです。細かい造形(形)が本来主流である丸型を角型や八角形にしたり様々なデザインがあって、この時代はミニマルなモノが多い。これはよーく見ると形が色々な解釈ができるケースデザインが良い。更に、時計を使う際に何が便利かってドレスウォッチを買う方は自動巻が好きな方が多いのであまり考えないのですが、これは横に並んでいる3本時計と厚みが変わらない中で、これだけオートマチックなんですよ。ムーブメントが所謂ロイヤルオーク等に使われる自動巻の高級機になります。外見の美しさは勿論ですが、薄型の自動巻として中身も非常に優秀。ドレスウォッチの自動巻ジャンルをかなり注目していることもあり、オススメですね。
大 : ケースの薄さが本当に変わらないですね。美しい。
佐 : 僕はずっと憧れ続けているPATEK PHILIPPE (パテックフィリップ)のカラトラバ。高価なモノなのでLiNNが成功した際に買いたいな。この時計の解説を江口さんからいただいても良いですか?
江 : はい。カラトラバとは一言で言うとラウンドケースのフラッグシップモデルです。1933年にパテックから発売したモデルなんですが、丸型のドレスウォッチが欲しいと思ったら最終的に行き着くモノですね。その中でも6時位置にスモールセコンドという秒針が付いていて、ビスポークのスーツに革靴を履いてこれを付けたいという。シンプルな美しさがあります。これを見て、美しいと思える感覚は絶対に必要ですよ。是非、実物をご覧いただきたいですね。
佐 : 僕は、このデザインを構えずに普段の日常に落とし込んで使いたいですね。これはベルトもオリジナルですか?
江 : そうですね。
大 : 個人的に僕もいくつかVintageの時計って付けてきましたが、初めて購入する時は自分も緊張感がありました。何度も話に出ているアフターケアを踏まえた上で、扱い方やこなし方での注意点とかはあるものですか?
江 : 意識してほしいことは所謂着古すとか、もう2度付けられることができないという”行動”をしないということ。勿論、修理すれば直せるものですが、時計は買って終わるものではない。先輩からの言葉で”時代を預かる”という通り、その時代に自分が預かり丁寧に使い引き継いでいくモノ。時計だけではなく、自身が使っているモノを丁寧に扱っていって欲しいですね。
大 : 僕たちのお店でもその面は凄く大事にしているテーマであり、共感できます。最後になりますが、今後の展望やトピックスはありますか?
江 : はい。来年の1月に渋谷の松濤にお店を移転するんですよ。吉祥寺の修理工房を拡張する形で、販売店を分けます。お店は更に見ていただきやすい環境を作りますのでたくさんの方々にお越しいただきたいです。一生の内にあるか無いか分からない買い物なので、2階建ての特別感ある作りにしました。
大 : 非常に楽しみです。そんなお忙しい中、イベントへのご協力感謝致します。
※イベント詳細は下記概要欄をご覧ください。
大 : 今回は紹介した時計に合わせて選りすぐりの逸品を30本程用意しているだけではなく、平素お世話になっているVintageの洋服も併せて、贅沢な品物を持ち込みます。イベントに向けて、Instagram , Blogを随時更新して参りますのでそちらもご参照ください。
大 : 江口さんには大阪・東京共に数日間在廊頂きます。(下記、在廊日をご参照ください)
それでは、本日はありがとうございました。それでは当日もよろしくお願いいたします。
一同 : ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
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LiNN
📖 贅沢輪展
“江口洋品店・時計店 POP UP EVENT”
・大阪会期
11/3(Fri) – 11/5(Sun)
※ 江口さん在廊日 (3日 , 4日)
🕛 Open hours
Fri , Sat / 12:00 – 20:30
Sun / 12:00-18:00
📍 〒541-0059 大阪府大阪市中央区博労町4丁目6−14 ラポビル 3F
(地下鉄 各駅より 徒歩 5分)
◇御堂筋線,長堀鶴見緑地線:心斎橋駅 3番出口(御堂筋側・長堀通側)
◇御堂筋線,中央線:本町駅 15番出口(御堂筋側)
◇四つ橋線,中央線:本町駅 22番出口(四つ橋側)
◇四つ橋線:四つ橋駅1-A出口
※駐車場は全てコインパーキングです
・東京会期
11/11(Sat) – 11/26(Sun)
※ 江口さん在廊日 (17日 , 18日)
🕛 Open hours
Thu , Fri / 13:00-19:00
Sat , Sun / 12:00-19:00
📍 153-0061 東京都目黒区中目黒3-22-11
(最寄り駅: 中目黒徒歩10分)
📩 Contact : info.linn.00@gmail.com
※開業日について
弊店は,中目黒と祐天寺の間
(駒沢通り添い)に辺る
ギャラリースペース S.AHN (サン)にて
各月14日間不定期に運営いたします
各月開業日は当サイトblogページまたはinstagramにてご参照ください
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