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2023.11.17

Maatee&Sons

LiNN

CONNECT THE LiNN / vol.11 MAATEEの松村さん




進行 / 大橋 (以下 大) 

喋り手 / 佐藤 (以下 佐)

ゲスト / 松村さん (MAATEE&SONS デザイナー) (以下 松)


撮影 / 早川さん (figure inc.)





大 : 最近はいかがお過ごしでしたか? 

松 : 次の秋冬の準備や打ち合わせですかね。生地の仕込みが終わって、パターンの打ち合わせとか。

佐 : 松村さんがコレクションを組み立てる際に、最初にデザインするモノって決まっているんですか?

松 : デザインというか。生地を仕込む段階で頭の中でデザインをしているので絵を書くことが非常に少ないです。取り組む事を決めたモノは時間をかけなければいけないので、一日考えて寝かせてまた確認してを繰り返しています。そういう意味では、シャツは単的に着地しますかね。





佐 : 生地上がりの順番で構築されている感じですね。

松 : 一概に言えませんが、ジャケットの場合は作る時間が掛かるので。緻密な生地が上がってきた際に、どのようにハメていくか。自分が想像していたモノと生地のマッチング感を見て、本当に良いのかどうか等。そうしていると色々時間が掛かります。

大 : 商品Blogにも記載したのですが、”スーパーエルニーニョ現象”と言われる暖冬の世界。MAATEEはアウターカテゴリーにかなり力を入れている印象がありますが、その辺りはデザインに反映されますか?

松 : 変えなければとは思います。でも、売り方も変化する必要があります。現代は3月までが秋冬。それは、売り場の方々と連携を取らなければならない。12月でセールではね。やっても、2月末?3月頭にすれば良い。後は、春夏のアウターって本当にいるのか?もちろん軽いイメージのプロダクトで季節の変化を感じられるということがあっても良いですが、そこまで必要性ないですよね。要は、シーズンのサイクルを変えられると、アウターが必要なタイミングもある。そして、ファッション、洋服のテンションが上がるモノ。品番数はが多少減る可能性はありますが、如何にケチらずにできるか。




大 : ケチらないというのは、クオリティー面?

松 : クオリティーもそうだし、用尺もそうだし。ぼくの立場からすると、どうやったら売れるかではなく、どうやったら驚いてくれるか。喜んでもらえるかなとか。そっちを先行します。そこに電卓を弾くことなどない。そういったアプローチ観点含めて、アウターは存在意義はありますよね。アウターもテーラードジャケットに合うモノとカジュアルに着るモノって違うので。その点を踏まえると、品番は増えます。

大 : 松村さんのラインナップはスタイリングで組まれているますもんね。MAATEEを始めた経緯などお伺いできますか?

松 : そもそも洋服のデザイナーはやろうと思っていなかった。できないと思っていたし、何か微妙だなと。大学生の頃に読んでいた雑誌では、スタイリストやバイヤーが沢山誌面に出てカッコよかった。なので洋服は好きでしたし、その世界に入ろうとは考えていました。就活で有名な企業や大手セレクトショップ・出版社など沢山受けて、まあまあ内定を頂きまして。その中で、バーニーズが一番かっこいいなという観点で入りました。

大 : そうなんですね。意外です。

松 : そうそう。理由が合って、20歳ぐらいの頃に紙面で読んだNYで一番カッコイイ百貨店としてBergdorf Goodmanが紹介されていました。そこの日本人バイヤーが特集されており、この人に会いに行けばいいんだとNYにアポ無しで行きました。歩いてたら会えるんじゃないかなという軽いノリで行ったら、本当に会えて。

佐 : え。すごいですね。笑

松 : そこで声かけ、お茶させてもらって。その際に、NYバーニーズでVMDを担当している方を紹介頂きました。その方がちょうど日本のバーニーズに帰国するタイミングで接点が増え、その縁もあってですね。そして4年ぐらい働いた中で何人か憧れの先輩がいて、彼らと同じことをやっていても勝てないなと思い、辞めてアメリカに行こうと。勉強してTOEFLも点数が取れたのでそのまま向こうの大学に行きました。

大 : 凄い行動力ですね。

松 : 留学は学生時代から、元々考えていたんですよ。着いた2日目?にバーニーズで働いていたこともあり、当時流行していた”Band of outsiders”や”Alexsander one”のTHE NEWSショールームの方々とお話しする機会を受けてアルバイトすることが急遽決まって。そこで業界の仕組みを理解しました。売り場にいても分からない、どのように商品が調達されてきたのか?”見つけてきた”とバイヤーは言うが、本当か?と。



大 , 佐 : 笑

松 : そのショールームで鈴木大器さん(エンジニアードガーメンツ)など様々なデザイナーと喋る機会や日本のバイヤーが来られた際のお手伝いをしながら、大学を卒業します。NYに残るか、戻るか。ショールームの社長からはビザを出すから残ってほしいと。でも、そこに残るより日本の方が女の子が可愛いなと。

佐 : へ?笑

大 : 動機。笑

松 : 友達も出来ましたが、大変なんですよ。アメリカで過ごすの。当時28歳ぐらいで、ここで戻らないと日本での就職は難しいかなと思いまして。バーニーズは選択肢にありました。後は、GAPやUNIQLOに冒頭で挙げた先輩方が働いていたので。第三の選択肢でNYのショールームの社長がコネクション持っていたいから、何かやらないか?と。その時に、実は自分の父親が洋服のデザインをやってましてと初めて話しました。

佐 : そこで話したんですね。

松 : 一切言わなかったので。NYの社長に父のコレクションを見ていただいた際にやはり一緒に何かやらない?となり。これは、他の方がやっていないことかつ父も少ないキャパでやっていたので、外に広げる事が出来れば良くなるかもなと。結局、帰国して時間が経つにつれてそれで良いかなと父親の会社に入った形になります。

松 : 当初は特にやる事がなく、悶々と過ごしながら半年ぐらいしてやっとNYのショールームと前身ブランドをやることになりました。でも難しくて。人の意見を取り入れたデザインがスタートだったので、1,2回取り組んだ後に自力のデザインに変えました。10年ぐらいかな?前身ブランドを続けて、何か梲が上がらない。利益は出るが、低空飛行で意味があるのかな?と。自分軸、マーケット軸を見た上で何か変えないとな。そんな時に”L’ECHOPPE”が現れたんですよ。まあまあ衝撃で、日本のセレクトショップがアパレル化してきた中で変化を感じた。このタイミングで、自分のやりたいことやデザイン構築し直そうと思い生まれたのが”MAATEE&SONS”。

松 : 最初はかなり恐る恐るでした。自分のやりたいことはありますが、買ってもらえなければ意味がないので。だから、最初のお客さんに恵まれた。横並びブランド含めて、一緒に引っ張り上げてもらえたんですよ。バーニーズ時代の経験から、伸びる時って横並びブランドが必ず3,4個ある。そんな感じで一緒に引っ張り上げてもらえたんですよ。お店で言うと、例えば”WAGAMAMA”さんや”MusterWerk”さん。”LiNN”さんも含めて、組み込んでもらえた事で今があります。

大 : ありがとうございます。佐藤と松村さんは前身ブランドからお付き合いがあると思いますが、何かきっかけはあったのですか?



佐 : ぼくの上司が元々”tim.”を買い付けていたことからですね。

松 : リーマンショックがの頃で、色々ありまして。その頃に佐藤さんの元上司の方が来られて買い付けていただきました。その翌シーズンに当時23歳?ぐらいの彼が現れましたね。

大 : そう考えると、長い付き合いですね。
その時代を経て、今のLiNNの印象って、いかがですか?

松 : はい。東京には、こういうお店が少ないですね。理由は分かりませんが、固定費の問題とかかな?最近も古着屋は沢山あるが、セレクトでお店が出来ていることは少ない印象。どこが完成形は分からないですが、何となくやりたい事が分かる。そのカタチを先ず持つことも大事だし、それを実行しようとしている事が凄くリスペクトに値して、価値あるお店だと思いますよ。

大 : ありがとうございます。嬉しいです。敵やライバルというのがいる訳ではないですが、自分たちも同じことをしていては、この時代に生き残っていけない。その考えから、だいぶひねくれたカタチになっている気がします。

佐 : 松村さんも仰っていた、マーケットは常に変わっているのでアップデートが必ず必要だと感じます。ゆえの、このカタチとも言えますね。

松 : アパレルの匂いがしないというところも潜在意識の中にもあるのかなと思うので凄く良いと思いますよ。

大 , 佐 : ありがとうございます。




大 : 今回は、真逆の趣向の自分たち2人が着れるジャケットを製作頂きました。商品説明については、Blogでも記載しておりますが松村さんからご説明をいただければなと思います。

松 : ジャケットを着ない流れから、少しずつ変化を感じます。その中で、どういうモノが着やすいのか?敢えて、着にくいモノを当て込むことも出来ますが、これに関しては素材がレザーなので。街で着るにはどうしたら良いかを踏まえたパターンを考えましたね。





佐 : ぼくはベースになった形も好きで良く着ていて、質感に落ち感があるのでこのジャケットは着やすい印象です。

松 : 着やすいとはどういった部分?見た目?

佐 : フィッティング面ですね。ぼくは185cmの80kgと身体が大きいので。凄くオーバーサイズなモノを着たい訳で無く、自身の身体に沿ったモノが良いんですよ。

松 : 多分それが今なんですよね。それを捉えることをジャケット作りでは意識しています。

佐 : そういう面含めて、弊店のお客様にも凄くハマる提案だと感じます。

松 : バイヤーでかれこれ15年ぐらいお付き合いがある方もいます。ジャケットに関してはどんなライン・モノが好みか大体理解していきます。全く買い付けないお店もありますし、やり続けた事でやたら買っていくお店もあります。要は、それぞれに対しての役割なのかなと思います。それが終われば消えるだけです。




大 : 今回の2色。美しさと土臭さを備えていると感じます。オススメのスタイリングはございますか?

松 :  あれですかね。”JEFFERY”。自分の中で今回のジャケットはカジュアル振りしているモノ。これに対しては、ドレス系のトラウザーを合わせる。でも、バチバチのテーラードにはカジュアルパンツを合わせる。そこに、キルティングのコートやダウンがあるとか。このレザーは太めのスラックス=JEFFERYの方がハマるのかなと。キャメルにデニムはアメリカっぽく色味は合いますよね。ネイビーはスラックスかな。デニムだと501型より裾広がりにするとヨーロッパっぽくなるし。そっちの方が、僕とか佐藤さんは好みかな。




佐 : デザイナーからのスタイリングのオススメは嬉しいですね。出し惜しみされて余白が多いことがカッコ良いという方も多い気がします。Instagramでの発信含めてそのパーソナルな側面が見える点が、MAATEEのコアファンに”声”が届いて指示されている気がします。ホームページを改装されることもその側面を変える仕掛けをされるのかなと。僕たちもお店をやっている中で、来店されるお客様のモチベーションが違うんですよ。

松 : そこは、MAATEEを始める際に意識したことですね。沢山モノがある中で、どうやったら知ってもらえるのか?選んでもらえるのか?の目的意識を持って来てもらえないと売れる確率は下がると思うので。だから、行き着いた行動なのかもですね。とにかく、売れないと終わっちゃうので。



大 : 売れ方も問題な市場になっている様に感じます。買って貰って、はい終わりではダメ。MAATEEのプロダクト含めて、モノと長く向き合う為に必要なことを”LiNN”では本当に大切に伝えたいです。最後に、今後の展望やトピックスはございますか?

松 : え。なんだろう?一生懸命やることかな?

佐 : 松村さんに会いに行けるイベント的なこと。テーラードやモノに特化した形でとかあると嬉しいですけどね。

松 : あー。それはやりたいんですけどね。

佐 : ビジュアルベースで出てこられないんで、文章やキャラクターに様々な想像が膨らんでると思うんですよ。

松: 3人ぐらいスタッフがいて、みんな仮面被せてやりましょうかね?

全員 : 笑

松 : 変なことが起こらないと面白くない。アイドルと同じ。
秋元康的な予定調和ではない感じを出したい。展示会でも同じですかね。

大 : アイドルか。はい。では、この辺りで締めましょう。
本日はありがとうございました。ジャケット発売は週末土曜日から。お楽しみに!

全員 : よろしくお願い致します。


撮影協力
figure inc.

東京都渋谷区神宮前2-18-20 #401



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☆Our Leather Jacket

Material / Sheep Leather 100% (Shell) , Silk 100% (Lining)

Color / Brown , Navy

Size / 2 , 3

Price / Ask

MAATEE&SONS


🕛 11/18(Sat) 12:00-


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LiNN

📖 贅沢輪展


“江口洋品店・時計店 POP UP EVENT”




・東京会期

11/11(Sat) – 11/26(Sun)
※ 江口さん在廊日 (17日 , 18日)


🕛 Open hours

Thu , Fri / 13:00-19:00 

Sat , Sun / 12:00-19:00


📍 153-0061 東京都目黒区中目黒3-22-11

(最寄り駅:  中目黒徒歩10分)


📩 Contact : info.linn.00@gmail.com

※開業日について

弊店は,中目黒と祐天寺の間

(駒沢通り添い)に辺る

ギャラリースペース S.AHN (サン)にて

各月14日間不定期に運営いたします

各月開業日は当サイトblogページまたはinstagramにてご参照ください

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