↑ 岡山県倉敷市児島に位置するCOTTLEのアトリエ。山々に囲まれた長閑な環境でした。
先月、岡山は児島に初めて伺いました。所謂デニムの街。勝手に華やかな印象を持っていましたが、平日ということもありとても静かで長閑な時間が流れていました。この旅の目的は”COTTLE”のアトリエ兼店舗へ行くこと。LiNNの根幹とも言える同アーティストの作業現場を覗いてきました。
駅からタクシーで15分程ですかね。山々に囲まれた外れ街に現れた風情を感じる建物。築130年以上の織物工場をリノベーションした建物はいい意味で少し雰囲気が浮いていて、存在感があります。店舗アトリエの中に入ると天高な古民家のような雰囲気で居心地の良い空間でしたね。何年前のか忘れましたが、とても古いミシンがたくさん置いてあり、当時工場として文化を支えていた匂いみたいなものも感じました。そこに置かれたCOTTLE ,LEAFVEINの服は自身の日常で見る姿とは何だか違って見えて。素朴なデザインだけど、素材一つでこれだけの存在感がある。あっ。ぼくは凄く良い服を所有しているんだ。という感情が芽生えました。
工房も拝見して、パート?の女性達がミシンを踏んだり、裁断したり。生産工程にある数々のプロダクトが一つ一つ丁寧にここで作られている。「自ら考えたものをまず自らが形にしたい」という面を育成含めて、この環境で本当に簡潔させていました。感動。
“ジャストインタイム”。必要なモノを必要なヒトだけに。
これなら余計なモノを必要以上に世の中に供給する必要性も無いし、自分たちでコントロールできちゃう。このやり方は自分にとっても健康的かつ相性が良いです。モノが幅で増えるより、気に入ったら縦に増えちゃうタイプなので。同じ型をストック買いや多色・サイズ違いで揃えたり。この気持ち分かる方は多分いますよね?
そんなこんなで今回はCOTTLEのコーデュロイシリーズ。これすごく欲しかったのでタイミングを測っていましたが。今いいかと。この素材の固定概念を吹き飛ばすプロダクトです。コーデュロイって、個人的には重くてズシっとしたアメカジ匂の強いイメージがあります。COTTLEが開発したのは、“軽く柔らかく光沢があり耐久性のあるオーガニックコットン100%のauthenticな畝ピッチのコーデュロイ”。
だいぶ欲張りですね。こんなのあるといいなと思っていても、着手する人がいないのが普通ですが。作ってた。やっぱり変です。こういう人に出会えるからやり甲斐があるんです。この仕事。
……
以下。COTTLE 説明文 (素材ver)
アルティメイトピマとシャトル織機での新規組織の開発
耐久性や光沢を求めると打ち込みを多くし、より高密度にする必要がある。そうすると生地が自然と「重く、固く」なっていく。「軽く、柔らかく」を求めると耐久性、光沢性がおちていく、この相反するパイル保持性を技術により両立させるべくオリジナルの生地組織を開発した。
[*補足]
コーデュロイは既存品が多く、オリジナルが多い日本のコーデュロイでさえ、新規の組織を開発する事は極稀れである。カッティングや起毛の工程が必要なため、中国産はもちろん国産であっても大量生産、定番品の在庫販売が一般的、オリジナルの少量生産はコストの問題が生じる。COTTLE はコストや膨大な手間よりクオリティを重視している。
試作工夫を繰り返し、パイル部分(表面の畝部分)の組織のみ高密度にし、地組織部は低密度となるオリジナルの織り組織に辿り着く。こうして光沢、軽さ、着心地、光沢性、耐久性を叶えた COTTLE の philosophy を取り入れたコーデュロイ素材が完成した。普通のコーデュロイと同じような面をしていて全く異なるものとなったのだ。
・アルティメイトピマ使用
・オリジナル組織開発
・国産シャトル織機使用
クオリティをもとめるうちにたどり着いたこの3点こそがCOTTLEのコーデュロイの最大の希少特徴となったのだ。アルティメイト・ピマとは従来のオーガニックコットンとは一線を画す、繊維長が十分あり、強力も兼ね備えた特徴の綿花である。寒暖差の大きい高地で栽培された綿花は繊維の中空率が高くハリとコシがあり風合いが非常に長く保たれる。従来のオーガニックコットンにありがちな着ていくうちにへたったり、硬くなったりすることの少ない品質保持、経年美化の特徴を持っている。
[*補足]
コーデュロイはヨコ糸の本数が増えるほど、毛量も増える為、スピードのでない旧式シャトル織機では不向きである。旧式シャトル織機はスピードが遅いため、最新型のエアジェットなどの織機に比べて織り上げに10倍ほどかかるが、空気を織り込んだ、驚くほど柔らかく軽やかなものになる。シャトル織機で織り上げているコーデュロイ自体大変希少である。
– 糸構成ーオーガニックコットン100% –
縦糸(地組織)- シャンカールオーガニック- 全体の構成3割
横糸(パイル部)- アルティメイトピマオーガニック- 全体の構成7割
……
ね。やっぱり変ですよ。洋服作る上で、素材作り一つにここまで情熱を注げる人が現代でどれくらい存在するでしょう?このロマンが無いと、買いたい欲求が生まれない体質の自分達も大概変わっているのも確か。要は、コーデュロイという秋冬物イメージが強い素材の固定概念を、通年通して着たくなるような軽やかさあるモノに仕上げた。その為に、アイテム単品・セットアップ着用時の身体にストレスを感じない重量(オンス)に収める。そこから生まれた“軽く柔らかく光沢があり耐久性のあるオーガニックコットン100%のauthenticな畝ピッチのコーデュロイ”なのです。
素材の凄さについては何となく分かりましたかね?次はお家芸の染色。
COTTLEは生地素材、染色に何より強く重点を置いています。
……
以下。COTTLE 説明文 (染色ver)
昨年から提案し続けている”LEAF VEIN”に引き続き、未染めの生成りが美しくあること染色に関してはヴィンテージではなく、アンティークコーデュロイの色相を紐解く化学染色では出来ない、多色性(色相のグラデーション)例えばHARVEST BROWNに関しても4色の天然染めを4回に分けて染色を施すその事で多彩な色相なグラデーションが生まれる、これは是非実物を目を凝らしてみて頂きたい。
・Wheat Ecru
未晒しのオーガニックコットンそのままの生成り色。より素材の光沢柔らかさが楽しめる未染色カラー。
・Mordant black (媒染液染)
媒染とは植物の持つ色素を糸や布に発色させ定着させる工程で、基本的には染色した糸・布をアルミや鉄の水溶液に浸けて媒染するが、COTTLEでは木酢液を媒染液として使用した。木酢液は木炭や竹炭を煮出して液を精製したもの。今回はこの媒染のみで製品を濃く染色することに挑戦している。高価な木酢液をおしみなく使用し染色している。通常の硫化染料や反応染料に比べて経年美化を生み出す色味としてもポテンシャルがあるのだ。また、抗菌性にも強い効果があり、染色の最後に柔軟を行い、媒染液特有の硬さも滑らかにしている。
・Harvest brown (媒染染め+天然染め3色=計4色)
アンティークフレンチウエアの一つにブラウンコーデュロイの色味がある。100年の期間を経てもなお、色濃く残る美しさは独特の色相経年美化がある。COTTLEでは媒染染したコーデュロイに天然染めを3色それぞれ別々に染め重ねることで理想のブラウンを追求した。多彩な色彩表現と色味の変化をコーデュロイ畝の中に閉じ込める染色を行っている。私たちの作る服が同じように100年後のアンティークウエアにとして残るようにとの思いを込めた染色だ。色調の色名はGolden Wheat Field Corduroy (黄金色の麦畑) が芳醇を迎えた意味を込めてHarvest (収穫)としている。
・Mordant indigo (媒染染め+本藍染め)黒藍
本藍染めを行った際に、コーデュロイ畝の立ち並びが日光にあたることで鮮明に輝いていた。媒染染めを加えることで黒味に近い色を吸収するより深い藍色に仕上げいる。黒に近い色を天然染めで表現するため、藍染に媒染染めを重ね合わせている。コーデュロイ特有の畝の立ち並びにより見る角度により深みと色の色相変化が楽しめる。鮮やかな藍色をベースとした濃紺は不動のカラーリングである。
・Authentic indigo (本藍染)
COTTLEの定番染色でもある本藍染化学的混ぜ物のない純粋な藍染。Golden Wheat Field Corduroyはより鮮やかに発色する特性がある。
……
染色だけでこの情報量なのでぼくも理解しきれていないですが。個人的には晒しのEcruと媒染液染のMordant blackが好きです。何より、素朴で落ち着くカラーパレット。こういう色調が万国共通で景色に合う服だと思います。クローゼットにあると安心する配色。さて、あとは型の説明と。(いっぱいあるので個人的推しのみ紹介します)
・CHAMPETRE BOUQUET JACKET
Color / 5 Colors
Material / Cotton 100%
Size / 0(XS) , 1(S) ,2(M) , 3(L) , 4(XL)
Price / ask
※染色によって価格が変動します。
↑LEAF VEINのZEN JKTをインナーにするといいね。
・C.T.L NEO TYPE 2nd CORDUROY JACKET
Color / 5 Colors
Material / Cotton 100%
Size / 0(XS) , 1(S) ,2(M) , 3(L) , 4X(L) , 5(XXL)
Price / ask
※染色によって価格が変動します。
↑エクリュのセットアップは勇気がいるけど、このエクリュは好みな白。
・C.T.L STRAIGHT CORDUROY PANTS
Color / 5 Colors
Material / Cotton 100%
Size / 0(XS) , 1(S) ,2(M) , 3(L) , 4X(L) , 5(XXL)
Price / ask
※染色によって価格が変動します。
↑履き慣れた定番デニムと同じ型。デニム,染色,コーデュロイ。同じ型で増える癖何とかしたい。
・CORDUROY GURHKA PANTS
Color / 5 Colors
Material / Cotton 100%
Size / 0(XS) , 1(S) ,2(M) , 3(L) , 4X(L) , 5(XXL)
Price / ask
※染色によって価格が変動します。
↑CHAMPETRE BOUQUET JACKETとのセットアップも良いですよ。
・CORDUROY ZEN JACKET
Color / 5 Colors
Material / Cotton 100%
Size / 0(XS) , 1(S) ,2(M) , 3(L) , 4(XL)
Price / ask
※染色によって価格が変動します。
↑このモデルはサイズを合わせてきた方がしっくり。フレンチのカバーオール的な存在。
・CORDUROY BOOK ORCHESTRA COAT
Color / 5 Colors
Material / Cotton 100%
Size / 0(XS) , 1(S) ,2(M) , 3(L) , 4(XL)
Price / ask
※染色によって価格が変動します。
↑白系のコートって中々いいモノに出会ったことがない。
・CORDUROY ARCHITECT COAT
Color / 5 Colors
Material / Cotton 100%
Size / 0(XS) , 1(S) ,2(M) , 3(L) , 4(XL)
Price / ask
※染色によって価格が変動します。
↑ BLACKVEINのセットアップにオン。毎年買い足して目指すべきスタイル。いい目標ですね。
📖 “ COTTLE & LEAFVEIN ” ORDER EXHIBITION
🕕 2024/7/13(土) – 28(日)
平日 13:00 – 19:00
土日祝 12:00 – 19:00
※ お好みのデザイン、サイズ、カラーをお選び頂けます。
※10月末 – 11月末頃納品予定。※品番によって違います
※受注時お預かり金(商品代金の50% or 全額)を頂戴致します。
📍LiNN / 東京都目黒区3-22-11
“神は細部に宿ると言うことだ”
LiNN 大橋
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LiNN
🕛 Open hours
Thu , Fri / 13:00-19:00
Sat , Sun / 12:00-19:00
📍 153-0061 東京都目黒区中目黒3-22-11
(最寄り駅: 中目黒徒歩10分)
📩 Contact : info.linn.00@gmail.com
※開業日について
弊店は,中目黒と祐天寺の間
(駒沢通り添い)に辺る
ギャラリースペース S.AHN (サン)にて
各月14日間不定期に運営いたします
各月開業日は当サイトblogページまたはinstagramにてご参照ください
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